10月19日(金)~10月21日(日)にて第6弾ケイツーリスト東北震災復興ボランティアツアーを実施致しました。
今回のボランティア活動は、石巻市南三陸町での養殖カキの殻片付け、仮設住宅での草刈り、仮設住宅の入居者との交流をして参りました。そして南三陸町で病院を開業されていて、3月11日に被災された方から生の被災体験を聞かせていただきました。
まず、養殖カキの殻片付けは、やっと再開された牡蠣の養殖工場。そこで行われる牡蠣を取り出す作業。この作業は、今でも人の手で1つずつ丁寧に殻から取り出されています。私たちはその取り出された牡蠣の殻を片付ける作業でした。
次に仮設住宅横の斜面の草刈り。鎌を持っての手作業です。どんどん草を刈っていきます。最初は斜面での作業になかなか慣れませんでしたが、やっていくうちに慣れ、どんどんスピードアップしてあっという間に仮設住宅の住人の方の希望の場所を刈り終えることができました。
草刈りの後は、震災体験講話学習です。今回の講師は、南三陸町で病院を開業され、3月11日に被災された本田剛彦先生です。本田先生の病院「本田記念おあいクリニック」。南三陸町で約30年地域医療を担ってらっしゃいました。3月11日は、いつものように診察中にあの巨大な地震が起きました。「大きな津波がくる」と確信していたため、すぐさま患者さんを避難させ、そのあと従業員さんとともに高台に逃げたそうです。高台からは一旦水位が下がった後沖に白い波頭が立ち、見る見る盛り上がって黒い壁の御津波が、5メートルの防波堤を軽々乗り越えて突進。バリバリと音を立て、水煙を上げながら目の前のすべての建物を破壊して押し流したそうです。海岸から300メートルのところにあった診療所も高さ16メートルの大津波に飲み込まれ、診療所、家すべてが津波と共に流されました。今回はボランティア活動の前にこの診療所とご自宅があった場所を本田先生自らご案内、そして説明していただきました。そして逃げた高台も連れて行っていただきました。
本田先生のお話で一番印象深かったのが、『地震が起きた当初は突然の人生の大変換が現実として受け止めることができず、「恨めしい、悔しい、悲しい」とばかり思っていた。しかし人間には生まれた時から運命の設計図があるのではないかと思い、この現実を天命の一つとして甘んじて受けようと悟り、「あるがまま、なるがまま」と思い、前に進んで行こうと思った』こうおっしゃられました。なかなかこのように考えることができませんが、起きてしまった現実を受け止め、そこからどうしていくのかと考えることはどんな時でも当てはまるものだと考えされられました。本田先生はこの体験を本にまとめて出版されています。(題名:地元開業医の十二ヶ月)
本田先生の震災講話の後は、南三陸町の仮設住宅へ行き、入居者の方々との交流。入居者の方々から「震災直後の体育館などの避難場所での苦労話」など聞かせていただきました。非常に勉強になりました。そして南三陸町の宿泊場所へ移動。民宿「清観荘」さんで1泊。参加者の皆さんと交流を深めました。
3日目は、宿を出発して 大川小学校に立ち寄り、亡くなった生徒さん、先生に手を合わせてきました。そして岐阜へ向けて出発。途中、東北自動車道のサービスエリアで参加者全員で「牛たん」の昼食を食べ帰ってきました。
ご参加いただきました皆様、ありがとうございました。
株式会社ケイツーリスト 阿部浩介